2020年度の高校3年生から対象となる大学入試改革
大学入試改革で受験生や高校の教員を戸惑わせているものが調査書の活用強化
ところが、高校卒業認定(高卒認定)を受けて大学受験をする受験生には、調査書を書いてもらう教員がいないので、不公平が生じているのです。
- 2020年度以降の大学入試では調査書が活用される
- 2020年度の大学入試改革によって、国公立大学の個別試験(2次試験)を中心に調査書が点数化される
- 通信制高校や高卒認定を利用して大学受験を考えている人とその家族
- 2020年度以降に大学受験を控えている人とその家族
2020年度の大学入試から調査書を点数化する大学がでてきています。高卒認定を受けて大学受験をする受験生の場合、調査書を書いてもらう教員がいないことを文科省は考慮していないのです。
大学入試改革で調査書が重視されるようになるのは2020年度から
調査書の活用を強化するように文科省から出された指針によって、調査書に記述する量が現在の倍以上になり、受験生と教員の負担が激増することが予想されます。
ところが、その調査書、どのように大学入試で活用されるのかなど、明確になっていないことが多かったのですが、2020年度の入試から早速利用される様子が見えてきました。
大学入試改革で調査書が点数化されるのは2020年度から
理系学部、文系学部に関係なく、国公立大学の個別試験(2次試験)調査書の点数が加点される大学が増えています。
調査書は「eポートフォリオ」をもとに作られる
これまでは、生徒の調査書は1枚の紙が基本でした。
表に学習の記録、裏に部活動や資格、出欠の記録などを教員が書いていました。
学校によって多少の違いがあるものの、一般的には、3年生の担任が受験シーズンの少し前に、個々の生徒の3年分のデータを入力するか、もしくは、1年生の担任から毎年データを埋めていくのが基本でした。
ところが、2020年度からは枚数の制限がなくなり、1枚目の表裏に学習と部活の記録を書き、2枚目以降はボランティアや留学経験といった課題活動の内容を詳細に書かなくてはならなくなるのです。
だからといって、これまで以上に学習や課外活動の記録を記入するとなれば、教員に膨大な負担がかかるので、高校生活を日常的に記録し、入試の出願の際にデータを整理して調査書を作る助けになるということで登場下のしたのがeポートフォリオだったのです。
調査書の材料「eポートフォリオ」にもベネッセが絡んでいる
このeポートフォリオ、文部科学省から運営許可を受け、あのベネッセコーポレーションによる運営サポートのもと、2019年4月1日より教育情報管理機構が運営していたのです。
https://cei-blog.com/school-real-yami
ところが、利用実態を調査すると、2020年度高校3年生になる高校生が1年生の時から利用しているeポートフォリオというシステム、その利用率の低さに騒然としました。
https://resemom.jp/article/2019/09/03/52265.html
さらに、2020年8月7日付で運営不許可の通知を受け、教育情報管理機構が利用規約に基づいて管理している利用者の登録情報は、JAPAN e-Portfolioを通じては2021年度の大学入試で活用できなくなったのです。
https://resemom.jp/article/2020/08/11/57587.html
調査書の強化に振り回される教師たち
そもそもさぁ、生徒が書いた内容に嘘がないか、いちいちチェックするのが大変なんだよね
授業中に、調査書を記録する時間を作らないかぎり、生徒たちは自主的には書かないよね
そもそも、仕事量が増えたものの、この調査書作成にかかる作業が大学入試でどう生かされるのか分からないんだよね
実態は、eポートフォリオによって作られた調査書が、大学入試でどのように評価されるのか、ほとんどの教員は知らない状態で、作業をしているのです。
というのも、その評価の方法が、ほとんどの大学でまだ決まっていないのです。
大学入試改革で調査書重視になった!
2020年度から始まる大学入試改革。
民間の英語試験導入、国語数学への記述式問題の導入、そしてこの調査書の点数化導入など、さまざまな目玉を出していました
調査書の点数化導入は、2020年の高校3年生から、大学入試に導入されることは増えていくことが予想されます。
勉強だけで大学入試が戦えなくなるってことだよね?
今後は学業以外の活動記録も重視されることが予想されます
結果的に、徐々に一般受験による大学入試が減っていくといわれています。
今後は、学業の成績だけでなく、さまざまな活動内容が重視されるようになります。
学業以外の活動に専念できるように、高校入学までに基礎学力を固めをしておきましょう