結論から言うと
塾に通わせること自体は、制度上も一般論としても「正しい選択」です。
しかし、
「正解を与えてくれる場所」だと信じ切った瞬間、親も子どもも、最後に誰も責任を取れなくなる。
その結果が“生徒が債権者になる”という形で現れました。
残念ながら、これは想像できたことです。
塾は「安全装置」だと思われてきた
多くの家庭にとって、塾はこう位置づけられています。
- 学校だけでは不安だから
- プロに任せたほうが安心だから
- 情報を持っているのは塾だから
つまり塾は、判断を引き取ってくれる装置です。
そしてこれは、親が怠けているからでも、子どもに無関心だからでもありません。
むしろその逆で、
一生懸命で、責任感の強い家庭ほど、判断を外注しやすい。
「塾が潰れる」という現実
以前から、利用者の方から相談があり、様子がおかしいと耳にしていたオンライン家庭教師サービス「メガスタ」。
ついに運営していたバンザンが破産しました。
詳細は、事実関係のみをまとめた、こちらのニュース記事へ。
👉 関連記事:オンライン家庭教師「メガスタ」運営会社の破産について(事実整理)
ここで重要なのは、
企業が潰れたこと自体ではありません。
注目すべきは、
- 生徒や保護者が「債権者」になったこと
- 教育サービスで、最も弱い立場の側がリスクを背負ったこと
です。
なぜ、誰も止められなかったのか
この手のケースで、よく聞く言葉があります。
- 大手だから大丈夫だと思った
- 教育サービスが潰れるとは思わなかった
- 途中でやめる判断ができなかった
でもこれは、判断力がなかったからではありません。
構造の問題です。
- 情報は業者側に集中する
- 保護者は「専門家」に従う立場
- 子どもは完全な当事者になれない
結果、
誰も「最終判断者」にならないまま進む。
現場で見てきた、似た構造
私は塾講師として、この構造を家庭単位で何度も見てきました。
- 塾が決めたカリキュラム
- 塾が勧めた受験校
- 塾が言う「大丈夫です」
その場では、何も問題は起きません。
むしろ
- 成績は安定
- 評定も維持
- 親も安心
しかし後から、
- 進路修正ができない
- 想定外の事態に弱い
- 責任の所在が曖昧
という形で、ツケが回ってきます。
教育が「サービス」になった結果
教育がサービス化すると、必ずこうなります。
- 正解を提示する側
- それを購入する側
この関係が固定されると、
判断する力は育ちません。
そして、サービスが止まった瞬間に残るのは、
- 契約
- 金銭
- 自己責任
だけです。
これは特定の塾の問題ではない
強調しておきます。
これは
- 特定企業の失敗談
- オンライン教育批判
ではありません。
「正解を外注する教育構造」そのものの話です。
同じことは、
- 家庭内
- 学校
- 塾
- 教育ビジネス全体
で、同時に起きています。
親として、最低限引き取るべき責任
では、どうすればいいのか。
答えはシンプルです。
- 判断を丸投げしない
- 「安全そうか」ではなく「最悪どうなるか」を考える
- 塾は道具であって、判断主体ではないと認識する
塾は使っていい。
でも、人生のハンドルは渡さない。
それだけで、「生徒が債権者になる教育」からは距離を取れます。
よくある質問:Q&A
Q1. 大手の塾なら安全ですか?
A. 規模と安全性は別です。判断を外注した時点でリスクは同じです。
Q2. 途中で塾をやめる判断は難しくないですか?
A. 難しいです。だからこそ「やめ時」を最初に決めておく必要があります。
Q3. 子どもに任せるのは不安です
A. 任せるのは進路ではなく、「考えるプロセス」です。
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