結論:推薦・指定校は「就活に不利」なのではない
──ただし“詰みやすい構造”がある
最初に誤解を解いておきます。
推薦・指定校だから就活に不利
というわけではありません。
問題はそこではなく、推薦という進路が“成功体験のピーク”になってしまう構造にあります。
この構造に気づかないまま進むと、就活のどこかで必ず詰まります。
なぜ推薦組は「自分で決める経験」が少ないのか
推薦・指定校で進学した学生は、
- 進路が早く決まる
- 大きな失敗を経験しにくい
- 周囲から「優秀」と扱われやすい
という環境にあります。
その結果、
- 志望理由を深く考えない
- 選択の責任を負う経験が少ない
- 正解を与えられることに慣れる
という状態になりやすいのです。
塾講師として見てきた“就活で止まる瞬間”
指導現場でよく見るのは、次の場面です。
- エントリーシートが書けない
- 「なぜこの会社?」に答えられない
- 面接で話が広がらない
本人は真面目で、成績も悪くありません。
それでも就活では、
「主体性が見えない」
「自分の言葉で話していない」
と評価され、落ちていきます。
推薦組の就活が詰む3つの典型パターン
① 志望動機が“借り物”になる
- 親の期待
- 周囲の評価
- 安定志向
これらを無意識に背負っているため、本人の言葉にならない。
② 面接で「考えたことがない質問」が来る
- 失敗経験は?
- 自分で決断したことは?
- 想定外への対応は?
ここで止まります。
理由は単純で、本気で悩んだ経験が少ないからです。
③ 成功体験が“推薦合格”で止まっている
就活では、過去の積み上げを問われます。
しかし推薦組の多くは、
一番の成功体験=推薦合格
になってしまっています。
これでは、大学4年間の成長が語れません。
なぜ「優秀でおとなしい子」ほど危ないのか
このタイプは、
- 指示を守る
- 空気を読む
- 問題を起こさない
ため、学校では高評価です。
しかし就活では、
- 自分の意見
- 判断基準
- 価値観
を問われます。
「おとなしい優等生」は、ここで初めて評価軸が変わるのです。
推薦→公務員という流れが“再び詰む”理由
就活がうまくいかず、
「じゃあ公務員でいい」
と切り替えるケースも多く見ます。
しかしすでに書いた通り、
- 公務員試験でも数学・物理は必須
- 受け身は評価されない
- 縁故幻想は崩壊している
就活で詰んだ構造は、公務員試験でも繰り返されます。
▶︎ 公務員の現実についてはこちらで詳しく解説しています。
公務員なら安心は本当か?|地方公務員試験で今起きている現実
保護者が勘違いしやすいポイント
よくあるのがこの認識です。
- 推薦で楽をした分、就活で頑張ればいい
- 大学名があれば何とかなる
- 真面目だから大丈夫
残念ですが、就活は“真面目さ”だけでは突破できません。
保護者が今できる現実的な対策
やるべきこと
- 早い段階で「自分で決めさせる」
- 失敗する機会を奪わない
- 進路を親が決めない
やらない方がいいこと
- 安定志向を押し付ける
- 比較で煽る
- 正解を先に教える
まとめ:就活で詰むかどうかは、受験より前に決まっている
- 推薦・指定校が悪いわけではない
- しかし“成功体験の作り方”を間違えると詰む
- 就活は「自分で決めてきたか」を見る
推薦合格がゴールになった瞬間、就活はかなり厳しくなります。
