結論から言います。数3やばい!理系で数Ⅲを取らないのありかなと思って、この記事にヒットしてしまったあなたは文転しましょう!
さもなくば、経済学部か農学部しか、行く道はありません。しかし残念ながら、現実は甘くありません。
目的もなく、理系なのに数Ⅲを取らないのはかなりヤバイです。
どうしても数Ⅲが必須の理系進学をしなくてはならないとか、理系進学したいのなら、つべこべ言わずプロの手を借りましょう。
この記事を読んでいる時点で、一人では解決しませんし、私の経験からしても受験に間に合わなくなります。
数3やばい!と思ってこの記事にたどりついたあなたへ
厳しい内容もありますが、これが現実です。
共通テストの難易度は来年以降も2022年度と変わらないとみたほうが賢明でしょう。
今年は共通テストが想定以上に難化し、数3やばいからと、数3を取らなかった理系組はさらに追い込まれ、多くが国公立大学の記念受験という人や、早々浪人という結果に至った人もいました。
数3は数ⅠA数ⅡB以上に時間がかかるので、人によっては他の科目に手が回らなくなります。
しかし、そもそも数Ⅲを取っていないために、受験する権利すらないという現実が増えています。
数3がやばいけど、理系進学したいと、毎年週2回の8回指導にすべて数3をかけている生徒もたくさんいます。
数3をとる目的がないのなら、無駄な時間、お金、労力を数3にかけずに、ワンランク上のレベルの文系学部を狙うのが賢明です。
理系にこだわって、専門学校か大学かわからない大学に無駄な学費をかけて行くくらいなら、ネームバリューのある大学の文系学部に行くのも賢い選択肢です。
【関連記事】数3やばい!物理も!模試はE判定でも高3秋から文転して数学使って現役合格した体験談
理系でなければ就職がないとか、文系は恥ずかしとかいう受験生もチラホラいますが、そんなことはありません。
15年以上理系科目を指導する立場で、個人的な意見とすれば、目的もなく数Ⅲを履修しないで、理系を選択すること、なんとなく理系進学したいから数Ⅲを履修することも、どちらも避けた方がいいです。
理系で数Ⅲを取るのか、取らないのか、実は想像以上に大きな問題で、共通テストで失敗してしまうととさらに追い込まれます。
理系ならば数Ⅲは履修必須という高校が大部分です。当然といえば、当然です、理系なのですから。
しかし、具体的な目的もなく、理系のほうが就職に有利だからと、数3をとってしまったら、受験に使わない、だったら捨てていい?という相談もあります。
【関連記事】数3をとってしまった!受験にいらないから捨てるとか赤点とらなきゃいいでは済まない理由
そもそも数学が苦手なのに、数Ⅲを履修するデメリット、リスクを考えずに当然のことと受け入れて手に負えなくなって、相談にくる生徒が毎年います。
しかし多くの高校ではなぜ理系ならば数Ⅲを履修必須としているのか具体的な説明をしてくれないどころか、数Ⅲを履修するデメリットやリスクすら教えてくれません。
今回は毎年多くの受験生を預かる中で遭遇する、理系で数Ⅲを取らない【デメリット】についてお話します。
高校の担任の先生、進路指導でも把握していないデメリットもありますので、参考にしてみてください。
目的もなく数Ⅲを履修しない理系を選択するリスクを、最新の受験情報と合わせて随時更新していきます。
ただ単に数学が苦手だから数3取らない、数3なしのなんちゃって理系になるというのなら、まずは学校とは違うマンツーマン指導で数学を教えてもらう方法もあります。プロに教えてもらったらわかるようになった!というケースが多いんですよ
理系で数Ⅲを取らないデメリット/指定校推薦入試編
これまでに私が生徒を通して直接体験したデメリット、間接的に聞いたデメリットを具体的に挙げていきます。
まずは推薦入試に関するデメリットです。
指定校推薦の条件を満たさなくなる
どんな手段を使って大学に入ってきたんだよ!
以前、大学の理系学部で教授をされる方と話す中で出てきた発言。
つまり、数Ⅲで習う最低限のこともできない新入生が理系学部に増えているという嘆きと呆れでした。
なかでも、指定校推薦で入学した学生というのは教授たちにとっては厄介なのです。
というのも、一般的に指定校推薦を利用する高校生は、一般入試で合格することが危ういため、一般入試で合格してきた学生に比べてそもそも学力が足りていません。
なかには数ⅠA、数ⅡBも怪しい生徒もいるとか。
学力が足りないだけならまだしも、多くの理系学部では数Ⅲの知識を必要とするため、数Ⅲの履修すらしてこないというのは、もはや論外という考えが広がっているのです。
結果的に、指定校推薦の条件に、数Ⅲを履修していること!という条件が増えているのです。
指定校推薦をもらえなくなる
数学ⅠAⅡBの成績が学年トップであっても、たとえ模試でS判定をとっていても、数Ⅲを履修していなければ指定校推薦は出さないという高校もあります。
指定校推薦の条件は各高校毎に少しずつ違うことも珍しくありません。
例えば、同じ大学の指定校推薦であっても、共学の高校よりも女子校の方が指定校推薦の条件がゆるいことも珍しくありません。私の経験からすると、評定の数値が女子校の方が断然ゆるい傾向にあります。
他にも、数Ⅲの履修が必須となっている点と、数Ⅲの履修が望ましいと条件が違うこともありました。
また、指定校推薦の条件は大学側から提示される条件と高校独自の条件を課しているケースもよくあります。
東京理科大学への指定校推薦の校内選考が通らなかった生徒が過去にいました。
理由は数Ⅲの未履修でした。
理系の生徒に文系学部の指定校推薦を出さない高校が多い
多くの高校では理系の生徒に文系学部の指定校推薦を許可していません。
理系の生徒が文系に変更する文転。
数Ⅲを取っていないから理系学部の指定校推薦がもらえない。だったら経済学部の指定校推薦をもらうと考える高校生が案外多いのです。
理系の生徒に文系学部の指定校推薦を出しても、大学側で落とされたケースもある
仮に高校の校内選考を通過したとしても、大学側でそもそも理系の生徒だろ!と判断されて指定校推薦を落とされたというケースもあります。
最近では進路指導のできない担任の先生、主任の先生が増えている傾向にあります。
かなり危うい橋を渡っていることにも気づいていない高校もチラホラ見えています。
この辺りは学校の進路指導の恥になる部分も多いので、学校からは一切漏れません。
生徒からの聞き取り情報で知る学校の進路指導の闇です。
理系で数Ⅲを取らないデメリット/一般入試編
続いて一般入試に関するデメリットです。
2022年度の共通テスト受験後に問い合わせが多かった内容も追記しています。
ほとんどが、数Ⅲと物理を履修していない受験生でした。
受験できる学部学科が少なくなる
数Ⅲを取らないで感じるデメリットで一番多いことは理系学部で受験できる学部学科が減ることです。
この場合、理系学部では足りずに、経済学部といった数学を使って受験できる文系学部を考えなければならなくなります。
参考までに、数Ⅲを取らないで受験できる理系学部を一部抜粋すると次の通り
- 農学部系
- 看護学部系
- 保健医療系
- 私立薬学系
- 管理栄養系
余談ですが、いずれも大学入学後に生物を必要とする学部になるため、生物を取っていない高校生にとっては大学入学後に苦戦を強いられるかもしれません。
物理や化学に限らず、生物を苦手とする生徒も年々増えている傾向にあります。
あの生物の膨大な暗記量、無理だよ。
共通テストの結果しだいで浪人が確定する場合もある
実際に2022年史上最悪の平均点が出てしまった共通テストの結果、苦戦を強いられたのは数Ⅲと物理を履修していない国公立理系志望の受験生でした。
どうしても国公立にと、こだわる受験生の中には、共通テスト終了後に浪人が確定してしまった生徒も2022年度にはたくさんいるでしょう。
数Ⅲがやばいという受験生の多くは、はっきりいって、数学も危うい生徒が多いのです。しかも物理もできない傾向が高いので、必然的に生物を選択することになります。
2022年度の共通テストは生物も大幅に平均点を下げました。
ということは、数Ⅲを取らない国公立理系志望の生徒の多くは、数学で点数がとれなかったばかりか、生物も、化学も点数が取れていない傾向が高いのです。
結果的に、国公立大学に出願できない、共通テスト利用型の出願ができないといった受験生が多数いたことも想像できるでしょう。
共通テストで点数が取れなかったら、数学を使って経済学部あたりを受験すればいいと簡単に考える方もいます。
実際に倍率をみるとわかると思いますが、現実的には文系数学も、共通テスト終了後に対策をたてられるほど、そう甘いものではありません。
個人的な意見ですが、共通テストの理系科目に関しては上位層と下位層の2極化は今後も続くと予想されるので、数Ⅲと物理を履修せずに国公立理系学部を志望するのはかなりのハイリスクだと考えています。
受験資格がなくなる
大学受験の募集要項に受験資格として、数Ⅲを履修していること!と一切書かれていないにも関わらず、過去に出願したにも関わらず、受験できなかった生徒がいました。
- 津田塾大学
- 立命館大学
数Ⅲをとっていなかったのですが、上の2つの大学に一般受験しようとして出願したところ、大学から直接連絡がきて、受験資格がないことを伝えられ、受験料を返金されていました。
当時、数Ⅲを履修していること!という文言は募集要項にも大学の公式サイトにもどこにも記載されていませんでした。
理系で数Ⅲを取らないデメリット/大学入学後編
最後に、大学入学後に感じるデメリットです。
大学の授業についていけなくなる
大学入学後の専門的な授業についていくためには基礎学力が必要不可欠です。
特に理系学部は授業内容を理解することができなくなると、留年に直結し、研究室への配属も保留になります。
東京理科大学の一般入試では数Ⅲをとっていなくても、入試で合格点をとれば無事に合格とされ、入学ができます。しかし、基礎学力が足りていないために、授業についていけない学生が毎年います。
また、いちぶの地方国立大学医学部の地域枠では数Ⅲをとっていなくても受験できる大学がありますが、やはり授業についていくのが大変という話はよく聞く話です。
追試を受ける回数が増える
大学は前期・後期の2回の試験で成績がつくのが一般的です。しかし、大学によっては小テストを頻繁に課す大学もたくさんあります。
この小テストも一定ラインの点数を合格とし、不合格の生徒は追試を受けることになります。
数Ⅲを履修していないと、やはり追試を受けるリスクも高くなります。
某地方国立大学の医学部(地域枠)では共通テストだけの点数で前期試験が受験できるため、数Ⅲの知識がなくても合格することができてしまいます。
過去に、大学で8回追試を受け、次の追試を通過しなければ留年が確定する…という崖っぷちの医学部生の話を聞いたことがありますが、当然の結果と言えるでしょう。
留年や退学をしなくてはならなくなる
先生、あと1回追試を取ったら留年確定だって…
こういった話もよく耳にする話です。
小テストや定期試験で一定ラインがクリアできないと、追試を何度も受けることになります。
あまりにデキが悪ければ、留年が確定となり、メンタルがもたなくなったり、世間体の悪さを考えてしまうと退学してしまう生徒もいます。
理系で数Ⅲを取らない【デメリット】が多いので慎重に考えよう
数Ⅲは数ⅠAⅡBとは違って、理解するまでにかかる時間と、1問を解く時間がそれぞれかかります。
しかも、一般的に難しいとされていますが、実際のところ、難しいというより1問1問の演習が面倒なことが多く時間がかかるのです。
だからといって、理系なのに数Ⅲを取らないという考えも進路を狭めること、デメリットもあるため、あまりおすすめできません。
それでもまだ理系なのに数Ⅲを取らないという選択肢を選ぶのなら、そもそも本当に理系選択でいいのかから見直すことも必要かもしれません。
理系選択を諦められないとか、理系進学したいというなら、数Ⅲは履修しておいた方がいいです。もし不安ならマンツーマンで数学の指導を受けてみる方法もあります。数学はとくに教える人がかわるだけで、理解できるケースも多いですよ!