結論:修正できた家庭は「最初の選択に成功した家庭」ではない
修正できた家庭とは、最初から正しい進路を選べた家庭ではありません。
一度は明確に失敗し、それでも「失敗を確定させなかった家庭」です。
修正できたケースで圧倒的に多いのは「進学校×医学部志望」
現場で特に多かったのが、
- 進学校
- 医学部志望
- ほぼ親の意向
という組み合わせです。
このタイプは、こちらは一瞬で分かります。
- 理系科目が壊滅
- 必死さがない
- 危機感がない
本気で医学部を目指している受験生の空気ではありません。
「医学部は厳しいですよ」と伝えた時の反応で分かる
医学部について現実的な話をすると、多くの家庭でこうなります。
じゃあ、薬学部で…
ここで重要なポイントがあります。
薬学部は、数学が得意でもダメです。
必要なのは、
化学が「得意」ではなく
「好き」であること
ここを勘違いすると、ほぼ確実に詰みます。
【実例】数字感覚が壊滅していた薬学部志望
印象に残っている生徒がいます。
理科の実験問題で、
必要な水の量
1.0×10⁴リットル
と答えました。
私は思わず笑いました。
- 実験室の実験です
- 1トン超えてます
- 物理的に不可能
この時点で、
- 数字感覚がない
- 現実と結びつけられない
- 致死量・安全量を想像できない
薬学部に致命的に向いていないと分かります。
「向いていない」と伝えた瞬間に出てきた本音
こちらが率直に、
向いていないと思います
と伝えると、その生徒はこう言いました。
だって、お母さんが……
そして続けて、
本当は美容師になりたい
進学校に行ったのも親のため
と。
この瞬間が、修正可能かどうかの分岐点でした。
修正できた家庭に共通していたこと
この家庭が修正できた理由は、進路変更そのものではありません。
共通点はこれだけです
- 子どもの本音が言語化された
- 親が一度、黙った
- 進路を「成果」ではなく「生活」として考え直した
親は混乱していましたが、否定しませんでした。
ここが決定的に違います。
その後どうなったか(現実)
結果として、
- 薬学部に進学
- 大学では化学漬け
- 2年で挫折・退学
一見、失敗に見えます。
しかしその後、
- 美容系の専門学校へ進学
- 今は楽しく仕事
- 人生としては立て直し成功
最初の軌道修正があったから、最悪の詰みを回避できたケースです。
この進路選択自体は、正直に言って成功とは言えません。
しかし、
この失敗を「人生の失敗」にしなかった判断だけは、
間違いなく正解でした。
修正できなかった家庭との決定的な違い
修正できなかった家庭は、
- 本音を認めない
- 「ここまで来たんだから」と続行
- 進路変更=敗北
という思考に陥ります。
結果、
- 大学で詰む
- 就活で詰む
- 社会で詰む
しかも戻れなくなる。
修正は「早いほど良い」ではない
──「本音が出た時が唯一のチャンス」
よく言われます。
もっと早く気づいていれば…
これは違います。
修正できる唯一のタイミングは、子どもがSOSを出した時です。
それ以前でも、それ以後でもない。
「修正できた」とは、失敗しなかったことではない
ここで誤解してほしくないのは、
「修正できた家庭=失敗しなかった家庭」
ではないということです。
多くの場合、
- お金も時間も使っています
- 親の意地も入っています
- 子どもも一度は壊れています
それでも、
引き返せたかどうか。
ただそれだけの違いです。
まとめ:修正できた家庭は「進路」より「本人」を見た
- 成績より本音
- 世間体より生活
- 正解より納得
これを一瞬でも優先できた家庭だけが、立て直せました。
推薦・進学校・医学部。
どんな看板があっても、人生はその先も続きます。
失敗しない家庭はほとんどない。
失敗を確定させない家庭だけが、立て直せる。

