理系受験生にとって英語長文読解は「必要だけど後回し」になりがちな分野です。
数学や物理・化学・生物の学習に多くの時間を割かなければならないなか、英語対策をどう効率的に進めるべきか悩む声をよく耳にします。
本記事では、特に理系学部を志望する受験生に向けて、限られた時間で英語長文読解力を劇的に向上させる具体的な方法を紹介します。
これらのテクニックを実践すれば、理系科目の学習時間を確保しながらも、英語長文を「苦手」から「得意」に変えることができるでしょう。
論理構造分析で理系的アプローチ – パラグラフマッピング法
理系受験生が英語長文読解で成功するコツは、文系的な「感覚」ではなく、理系的な「論理」で文章を分析することです。
特に効果的なのが「パラグラフマッピング法」です。
具体的な手順は以下の通り
- 各段落の最初と最後の文に注目する(トピックセンテンスとコンクルージョン)
- 段落間の論理関係を矢印で図式化する(因果関係、対比関係、具体例など)
- 全体の論理構造を一枚の「マインドマップ」として可視化する
この方法は、特に理系入試に頻出する科学論文や技術解説文の読解に威力を発揮します。
例えば「再生可能エネルギーの課題と解決策」という長文なら、「問題提起→具体的課題→技術的解決策→将来展望」という論理構造が見えてきます。
この構造把握が、設問への迅速な対応を可能にします。
東工大志望の生徒がこの方法を実践したところ、「科学技術に関する英文の内容理解が格段に深まった」と報告しています。
特に理系学部の二次試験では、専門的内容を含む英文が出題されることが多いため、この論理構造分析が高得点への近道となります。
理系用語の効率的習得法 – コアボキャブラリー戦略
理系入試の英文には、一般的な英単語に加えて専門的な科学・技術用語が含まれています
これらを効率的に習得するには「コアボキャブラリー戦略」が有効です。
実践ステップは以下の通り
- 理系学部の過去問から頻出する専門用語を100語ピックアップする
- これらを「接頭辞・語根・接尾辞」で分類し、語形成のパターンを学ぶ
- 類似の派生語をグループ化して記憶する(例:hydroelectric, hydrophobic, hydrothermal)
例えば、以下のような語形成パターンを理解することで、未知の単語も推測できるようになります
- bio-(生物) + logy(学問) = biology(生物学)
- photo-(光) + synthesis(合成) = photosynthesis(光合成)
- thermo-(熱) + dynamic(力学) = thermodynamic(熱力学)
この方法で理系専門用語を学習した医学部志望の生徒は、わずか2週間で医療系英文の理解度が60%から90%に向上しました。
理系受験生にとって、この専門用語の習得は英語長文攻略の大きなアドバンテージとなります。
理系的思考を活かした速読トレーニング – チャンク読み+図式化
理系的思考の強みを活かした「チャンク読み+図式化」法は、長文読解のスピードと正確さを同時に向上させます。
トレーニング方法は以下の通り
- 英文を意味のまとまり(チャンク)ごとに区切って読む
- 数式や化学反応式のように、英文の構造を記号化する 例:S(主語) + V(動詞) + O(目的語) + M(修飾語)
- 長い文は「入れ子構造」として図式化する 例:The energy [that is generated by the solar panels] powers the entire system.
特に効果的なのは、英文を「数式」のように見る練習です。
例えば複雑な関係詞節を含む文も、括弧を使って整理すると理解しやすくなります。
原文:The technology which was developed by researchers at MIT enables devices to communicate wirelessly without batteries.
図式化:The technology (which was developed by researchers at MIT) enables devices to communicate wirelessly (without batteries).
この方法を3週間続けた京大理学部志望の生徒は「複雑な構文も数学の関数のように整理できるようになった」と報告しています。
理系科目で培った論理的思考を英語読解に転用することで、効率的な学習が可能になるのです。
まとめ:理系の強みを活かした英語攻略法
理系受験生が英語長文読解力を向上させるには、論理構造分析によるパラグラフマッピング法、理系用語の効率的習得法、そして理系的思考を活かした速読トレーニングという3つの方法が効果的です。
これらを10日間集中して取り組むことで、英語長文に対する苦手意識は大きく変わるでしょう。
重要なのは、理系的思考を英語学習に活かすという発想の転換です。
数学や物理で培った論理的思考力は、実は英語長文読解にも応用できます。
限られた時間の中で理系科目と英語の両立を図りながら、効率的に英語力を高めていきましょう。
この方法を実践すれば、理系受験生でも英語を得点源に変えることができますよ。