「赤本」として知られる大学受験用の過去問題集は、数多くの受験生に重宝されていますが、一つ気になる点があります。
それは問題ごとの得点配分や評価基準が明記されていないことです。
このため、どれだけの得点が期待できるのかが不透明な状態です。
実は、このように配点情報が不明であることには特定の理由があります。
今回は、なぜ「赤本」に配点や採点基準が掲載されていないのか、その背後にある理由を掘り下げます。
また、「赤本」に書かれていない配点や採点基準を把握するための方法も詳しく解説します。
赤本の配点がわからない、どこにも書いてない理由
「赤本」は多くの受験生にとって必要不可欠なものです。
しかし、この赤本には問題ごとの配点が書かれていないことが多く、わかりません。
赤本の配点がわからない、どこにも書かれていないには、おもに2つの理由があります。
大学側が配点情報を一般に公開していない
「赤本」に配点が書かれていない理由の一つは、大学側が配点情報を一般に公開していないことです。
これにより、出版社側も問題の正確な配点を書くことができない状況にあります。
多くの大学が詳細な配点情報を公開していないため、これが「赤本」にも影響しています。
科目別配点と合格最低点は公開している
しかし、赤本には科目ごとの配点や合格最低点から合格基準を見ることができる場合もあります。
例えば、2021年度上智大学の一般選抜入学試験では共通テストと独自のテストが組み合わせて行われ、それぞれの得点が合否に影響を与えます。
ただし、共通テストのみを使う試験では、配点の設定が異なる場合があり、赤本のみでの採点は難しいことがあります。
赤本の配点を知るための対処法
赤本を利用する上で、配点がわからないことが受験生の中には不安であるという人もいるでしょう。
というのも、配点がわからないと、自身の立ち位置が把握しにくく、学習意欲にも影響が出るかもしれません。
そこで、赤本の配点を特定するための有効な方法をここでは紹介します。
大学の公式情報をチェック
まず、志望する大学のホームページを徹底的に調べてみましょう。
全ての大学が入試の配点を公開しているわけではありませんが、中には情報を公表している大学もあります。
しかし、これらの大学は少数ですので、公開されている情報に頼るしかない場合が多いです。
予備校の解答速報を活用する
次に、大手予備校が発表する解答速報を活用する方法もあります。
これらは公式の配点ではないものの、予測として参考になります。
複数の予備校の速報を比較検討することで、より実情に近い配点の見積もりが可能です。
自己推測による配点計算
また、公開されている科目ごとの配点を元に、自ら配点を推測する方法もあります。
例えば、マークシート式の問題では、配点を問題数で割ることで一問当たりの点数を推定できます。
ただし、この方法はあくまで推測であり、正確な配点と異なる可能性があるので、あくまでも参考値としておく必要があります。
赤本の配点がわからない…それでも赤本を使うメリット
赤本とは、大学入試の過去問題を収めた問題集で、教学社によって出版されています。
全国の大学や短大を網羅し、様々なバリエーションの赤本が存在します。
この赤本は、出題傾向の分析や自己の実力測定に役立つため、受験生は受験する大学の赤本は最低でも2年分はすることをおすすめします。
【関連記事】赤本は何年分どのように解いていくと効果的?過去問を解く目的も解説
まとめ
この記事では、赤本に配点がかかれていない理由と、それを知るための対応策を紹介しました。
大学からの配点公表がない限り、赤本に具体的な配点が書かれることはありません。
そのため、予備校の解答速報を参照する、公開されている科目別配点から自己推定するなどの方法で対応することが一般的です。
配点に囚われすぎると、本来の勉強に支障をきたす恐れがあるため、あくまで参考として赤本を活用し、大学受験に向けて準備することが重要です。
間違った問題の理解、苦手分野の克服、出題傾向の分析、時間管理や解答順序の戦略など、配点予想よりも大切な学習要素に焦点を合わせることが勝因となります。