塾を辞めることは決めたけれど、理由までは言いたくない。
そんなケースは珍しくありません。
「先生と合わないのが本当の理由だけど、本人には言いづらい」
「他の塾へ移ることを知られたくない」
「家庭の事情なので詳しく説明したくない」
「成績が上がらないことへの不満はあるけれど、揉めたくない」
こうしたときに悩むのが、
「退塾理由って、ちゃんと言わないと失礼なの?」
という点です。
結論からいうと、退塾の連絡で理由を細かく説明しなければならないわけではありません。
「家庭で話し合った結果」
「今後の学習方針を見直した結果」
「家庭の事情により」
など、ある程度ぼかして伝えることもできます。
私は塾講師として15年以上、生徒・保護者とのやり取りを見てきました。
塾側としては退塾理由を知りたいこともありますが、何より重要なのは、
退塾するのか、まだ相談段階なのかが分かること
です。
この記事では、塾を辞める理由を言いたくない場合の伝え方、理由を聞かれたときの返し方、どこまで説明すればいいのかを現場目線で解説します。
関連記事:塾を辞めるときの伝え方|いつ・誰に・何て言う?現役塾講師が解説
塾を辞める理由は必ず言わないといけない?
退塾理由を聞かれることはあります。
ただし、聞かれたからといって、家庭の事情や本人の本音をすべて話さなければならないわけではありません。
塾側が知りたい理由と、家庭側が話したくない事情は分けて考えて大丈夫です。
理由を詳しく言わなくても退塾の意思は伝えられる
たとえば、
「家庭で今後について話し合った結果、○月末で退塾させていただきたいと考えております。」
これで退塾の意思は十分伝わります。
「なぜ辞めるのか」よりも、
「いつ辞めるのか」
「退塾はもう決まっているのか」
のほうが、手続き上は重要です。
理由を詳しく言いたくないなら、最初から説明を広げなくても構いません。
塾側が理由を聞くのは珍しいことではない
一方で、塾から理由を聞かれること自体は珍しくありません。
たとえば、
「差し支えなければ、退塾理由を教えていただけますか?」
と聞かれることがあります。
これは必ずしも詮索というわけではありません。
塾側としては、
・曜日変更で解決できないか
・担当変更が必要ではないか
・教室運営に問題がなかったか
・今後改善すべき点があるか
などを確認したい場合があります。
聞かれること自体は普通。
でも、どこまで答えるかは別の話です。
理由を言いたくないときの退塾例文
理由を詳しく書かずに退塾したい場合は、ぼかした表現を使います。
無理に嘘の理由を作る必要はありません。
「家庭で話し合った結果」で伝える例文
「いつもお世話になっております。○○の母です。
家庭で今後の学習について話し合った結果、○月末で退塾させていただきたいと考えております。
必要な手続きがございましたら教えていただけますでしょうか。
これまでご指導いただき、ありがとうございました。」
最も使いやすい形です。
「家庭で話し合った結果」なら、詳しい理由を書かなくても不自然ではありません。
「今後の学習方針を見直す」で伝える例文
「いつもお世話になっております。○○の保護者です。
今後の学習方針を見直すことになり、○月末で退塾を希望しております。
必要な手続きについて教えていただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。」
他塾への移動、家庭学習への切り替え、学習方法の変更など、幅広いケースで使えます。
関連記事:塾を辞めるLINE・メール例文|短く失礼なく伝える書き方
家庭の事情を詳しく言いたくない場合
家庭の事情には、塾へ説明する必要のない内容もあります。
金銭面、家族関係、仕事、生活環境など、家庭側でどこまで共有するか決めて構いません。
「家庭の事情」で止める例文
「いつもお世話になっております。○○の母です。
家庭の事情により、○月末で退塾させていただきたいと考えております。
必要な手続きがございましたら教えていただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。」
これで十分です。
「家庭の事情って具体的に何ですか?」
と聞かれたとしても、話したくなければ詳しく答える必要はありません。
さらに聞かれたときの返し方
たとえば、
「差し支えなければ、どのようなご事情でしょうか?」
と聞かれた場合は、
「家庭内の事情になりますので、詳しくは控えさせていただければと思います。」
と返せます。
もう少し柔らかくするなら、
「お気遣いいただきありがとうございます。家庭で話し合って決めたことですので、今回は退塾でお願いいたします。」
でもいいでしょう。
相手が丁寧に聞いてきたからといって、答えたくないことまで話す必要はありません。
先生と合わないことを言いたくない場合
本当の理由が、
「先生と合わない」
というケースもあります。
本人が先生を嫌がっている、質問しづらい、説明が合わないなど、理由はいろいろあるでしょう。
ただ、担当講師本人に、
「あなたと合わないので辞めます」
とは言いづらいものです。
退塾すると決めているなら無理に言わなくていい
すでに別の塾へ移るなど、退塾が決まっているなら、
「本人とも話し合い、学習環境を見直すことにしました。」
くらいで構いません。
担当講師への不満を伝えても、家庭側の結論が変わらないのであれば、最初の退塾連絡で全部説明しなくてもいいでしょう。
改善されるなら続けたいなら伝えたほうがいい
一方、
「先生が変われば続けたい」
のであれば話は別です。
その場合は退塾理由を隠すより、
「担当の先生との相性について一度相談したいです。」
と伝えたほうが解決につながる可能性があります。
関連記事:塾の先生と合わない|我慢・講師変更・退塾の判断基準(準備中)
関連記事:塾の担当講師を変えてほしい|変更をお願いする例文と伝え方(準備中)
他の塾に移ることを言いたくない場合
転塾が理由でも、次に通う塾まで言う必要はありません。
「どこの塾へ行くの?」
と聞かれる可能性はありますが、答えたくなければぼかして構いません。
転塾先を伏せる例文
「本人と今後について話し合い、学習環境を変えることにしました。そのため、○月末で退塾をお願いいたします。」
これで意味は伝わります。
他塾へ移ることすら言いたくなければ、
「今後の学習方針を見直すことにしました。」
でも構いません。
塾名を聞かれた場合の返し方
「次はどちらへ通われる予定ですか?」
と聞かれた場合は、
「家庭で検討したところで進める予定です。」
「今後については家庭で決めておりますので、今回は退塾手続きをお願いできればと思います。」
などで話を戻せます。
相手を納得させるために、転塾先を公開する必要はありません。
関連記事:他の塾に移るとき何て言う?転塾を伝える例文(準備中)
成績が上がらないことを言いたくない場合
成績が上がらないことが退塾理由だと、
「塾に不満をぶつけるようで言いにくい」
と感じることがあります。
この場合も、目的によって伝え方を変えます。
もう辞めるなら「学習環境を見直す」で十分
すでに退塾を決めているなら、
「本人とも相談し、今後の学習環境を見直すことにしました。」
で構いません。
成績への不満を全部説明しなければ退塾できないわけではありません。
改善を求めたいなら事実を伝える
一方、
「退塾前に一度説明を聞きたい」
「なぜ成績が上がっていないのか確認したい」
のであれば、ぼかさないほうがいいでしょう。
この場合は、
「直近の成績が下がっており、現在の理解度について一度確認したいです。」
など、事実ベースで伝えます。
「成績が上がらない=塾が悪い」
と最初から決めつけるより、
「塾ではどこでつまずいていると見えているのか」
を確認したほうが話は進みやすくなります。
関連記事:成績が上がらないので塾を辞めたい|角が立ちにくい伝え方
現役塾講師から見ると理由より「退塾か相談か」が重要
ここは塾側の立場から書いておきます。
退塾理由を聞きたい気持ちはあります。
特に、
「こちらに何か改善すべき問題があったのか」
は、教室側として確認したいところです。
ただ、実務上もっと困るのは、
退塾するのか、まだ迷っているのか分からない連絡
です。
曖昧な文章は返信内容を決めにくい
たとえば、
「最近本人ともいろいろ話していて、今後について少し考えています。」
と連絡が来た場合。
塾側では、
「面談を提案する?」
「退塾手続きを案内する?」
「担当講師へ確認する?」
と判断が分かれます。
理由を詳しく書かなくても、
「○月末で退塾を希望しています。」
と結論があれば対応できます。
理由をぼかすなら希望だけはぼかさない
理由を言いたくないこと自体は問題ありません。
ただし、
理由もぼかす、希望もぼかす
となると、塾側は返信に迷います。
たとえば、
「家庭で話し合った結果、○月末で退塾を希望しています。」
なら十分です。
理由はぼかしている。
でも、退塾したいことははっきりしている。
この状態が一番分かりやすいです。
嘘の退塾理由を作ったほうがいい?
理由を言いたくないと、
「部活が忙しいことにしておこうかな」
「引っ越すと言ったほうが楽かな」
と、別の理由を作りたくなることもあるでしょう。
基本的には、無理に嘘を作る必要はありません。
ぼかすだけで十分なことが多い
「家庭で話し合った結果」
「学習方針を見直すため」
という表現なら、嘘をつかずに詳しい理由を伏せられます。
嘘の理由を作ると、
「では曜日を変えましょうか?」
「引っ越し先の教室をご案内できますよ」
など、予想外に話が広がることがあります。
部活を理由にしたら曜日変更を提案され、話が余計にややこしくなる。
退塾あるあるです。
断るための理由を増やしすぎない
引き止められたときも同じです。
相手を納得させるために、
「部活も忙しくて」
「費用も気になって」
「本人も疲れていて」
と理由を増やす必要はありません。
「家庭で話し合って決めましたので、今回は退塾でお願いいたします。」
と結論に戻せば十分です。
関連記事:塾を辞めると言ったら引き止められた|断り方と返し方(準備中)
電話で理由を聞かれたときはどうする?
LINEやメールなら文章を考えられますが、電話ではその場で聞かれることがあります。
電話が苦手なら、返答を1つ決めておきましょう。
短く答える場合
「家庭で話し合って決めました。」
「今後の学習方針を見直すことにしました。」
「家庭の事情になります。」
この3つのどれかでも十分です。
何を言うか先に決めておけば、急に聞かれても慌てにくくなります。
さらに聞かれた場合
「もう少し詳しく教えていただけますか?」
と聞かれたら、
「申し訳ありませんが、家庭内のことですので詳しくは控えさせてください。」
と伝えます。
そして、
「退塾の手続きについて教えていただけますでしょうか。」
と本題へ戻しましょう。
関連記事:塾を辞めるとき電話で何て言う?会話例と聞かれやすいこと
理由を言わないと塾から悪く思われる?
ここを心配する人もいるでしょう。
「感じの悪い親だと思われないかな」
「先生に失礼かな」
と気になるかもしれません。
しかし、理由を詳しく話さないことと、失礼な態度を取ることは別です。
丁寧に退塾意思を伝えれば十分
たとえば、
「家庭で話し合った結果、○月末で退塾を希望しております。これまでご指導いただきありがとうございました。」
と伝えれば、理由を詳しく書かなくても丁寧です。
大切なのは、
・必要な時期までに伝える
・必要な手続きをする
・質問されたことに必要な範囲で返す
ことです。
感謝と退塾理由は別に考えていい
退塾理由を伏せたいからといって、お礼まで書かない必要はありません。
お世話になったと感じているなら、
「これまでありがとうございました。」
と伝えて構いません。
逆に、不満があったからといって、無理に感謝を書かなければならないわけでもありません。
必要以上に感情を作らず、事務的に丁寧に伝えるという選択肢もあります。
返信が来た後はどうする?
退塾理由をぼかして連絡すると、返信で理由を聞かれることがあります。
その場合も、最初に決めた方針を変える必要はありません。
再度理由を聞かれた場合
「お気遣いいただきありがとうございます。家庭で話し合って決めたことですので、今回は退塾でお願いいたします。」
と返せば十分です。
詳しく話さないことを謝り続ける必要もありません。
手続きの案内が来た場合
塾から、
「承知しました。退塾届をご提出ください。」
と返信が来たら、
「承知しました。次回伺った際に提出いたします。よろしくお願いいたします。」
と返します。
必要なら最後に、
「これまでご指導いただきありがとうございました。」
と加えればいいでしょう。
関連記事:塾から退塾の返信が来たら何て返す?返信例文と終わらせ方(準備中)
まとめ|塾を辞める理由は詳しく言わなくてもいい
塾を辞める理由を言いたくないなら、無理に細かく説明する必要はありません。
使いやすいのは、
「家庭で話し合った結果」
「今後の学習方針を見直した結果」
「家庭の事情により」
といった表現です。
ただし、理由をぼかす場合でも、
「○月末で退塾を希望しています」
という結論は明確にしましょう。
現役塾講師の立場から見ると、理由が詳しく書かれていないことより、
「退塾なのか相談なのか分からない」
ほうが対応に迷います。
理由はぼかしても、希望はぼかさない。
これを意識すると、余計なやり取りを増やさずに退塾を伝えやすくなります。
そして、理由を聞かれても、答えたくない事情まで話す必要はありません。
「家庭で話し合って決めましたので、今回は退塾でお願いします。」
この一言を用意しておくと、LINEでも電話でも使いやすいでしょう。
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