結論:公務員は「安全地帯」ではなくなっている
結論から言います。
「公務員だから安心」という考え方は、すでに現実とズレ始めています。
もちろん、今も公務員は安定した職業の一つです。
ただしそれは、
- 何も考えずに受かる
- 勉強が得意なら大丈夫
という意味ではありません。
特に近年、地方公務員試験では
受験者の層と求められる能力が確実に変わってきています。
なぜ「田舎ほど公務員信仰」が強いのか
地方では今も、
- 公務員=安定
- 民間=不安定
- とりあえず公務員
という価値観が根強く残っています。
保護者世代にとっては、これが「成功ルート」だったからです。
しかし問題は、情報がそのまま更新されていないことです。
家庭教師として見た公務員試験の誤解
家庭教師として、高校生・大学生を指導してきましたが、公務員試験について、次のような誤解を非常によく見ます。
- 暗記だけでいける
- 文系だから理系科目はいらない
- 数学・物理は避けられる
これは現場感覚では、かなり危険です。
公務員試験でも数学・物理から逃げられない理由
地方公務員試験の一次試験では、
- 教養試験の問題数を満たす必要がある
- 文系科目だけでは足りないケースが多い
その結果、
数学Ⅱレベル、物理基礎~物理レベルを選択せざるを得ない状況が頻繁に起きます。
特に危ないのが、
- 高校で早々に文系に固執したタイプ
- 理系科目を家庭教師任せにしていたタイプ
です。
【実例】物理以前の問題で止まるケース
実際に指導したケースですが、
- 川でボートをこぐ相対速度の問題
- そもそも川下・川上という概念がない
- 「川上から川下に進む」という基本がない
という生徒がいました。
さらに、
- sinθ:シンって何?「θ」が読めない
- 三角比の意味以前に、記号が分からない
こうなると、試験対策以前の段階です。
日本人限定ではない自治体が増えている現実
さらに見落とされがちなのが、採用条件の変化です。
一部の自治体では、
- 日本人限定の条件が外れている
- 外国人受験者が普通に受けてくる
という状況もすでにあります。
彼らは、
- 数学・論理に強い
- 語彙力が高い
- 英語力がある
ことが多く、「ガリ勉・ペーパー特化型の日本人受験者」は相対的に不利になりつつあります。
いまだに残る「縁故で何とかなる」という致命的な誤解
さらに現場でフリーズするのが、
「縁故があるから公務員は何とかなる」
と本気で思っている保護者が、いまだに一定数いることです。
「〇〇さんがいるから大丈夫」
「昔からの付き合いがある」
といった話を聞くこともありますが、正直なところ、いつの時代の話だろうかと思います。
現在の公務員採用では、まず一次試験を通過しない限り、話になりません。
仮に縁故が“形式上”存在したとしても、一次試験をパスしていない状態では、どうにもならないのが現実です。
むしろ今は、
- 採用過程の透明化
- 外部監査
- 不正リスクの回避
が強く求められており、縁故採用に見える動きそのものが極端に嫌われます。
それにもかかわらず、昔の感覚のまま
「コネがあるから」
「顔が利くから」
と考えて準備を怠ると、一次試験で普通に落ちて終わります。
縁故が使えるかどうかを考える前に、そもそも試験を突破できる学力・思考力があるのか。
ここを直視しない限り、公務員という選択肢は成立しません。
さらに、最近では
「縁故を持ち出したこと自体が、その関係者の評価に影響する可能性がある」
という話も、一部自治体では普通に聞くようになりました。
採用の透明性が強く求められる現在では、
「誰かの名前を出す」
「顔が利くことを匂わせる」
こうした行為そのものが、組織としてのリスクと見なされることがあります。
その結果、
- 本人が不利になるだけでなく
- 名前を出された側(縁故者)の査定や立場にも
微妙な影響が出る可能性がある
という話も、決して珍しくありません。
つまり現在の公務員採用では、
縁故は「切り札」どころか
場合によっては「地雷」になり得るのが現実です。
なぜ「受け身で優等生タイプ」は公務員でも詰むのか
指導経験上、特に厳しいのが次のタイプです。
- 運動部経験なし
- 指示されたことは完璧にこなす
- ペーパー試験は得意
一見、向いていそうに見えますが、
- ガッツがない
- 語彙力が弱い
- 想定外に対応できない
という弱点が、公務員試験やその後の業務で表面化します。
公務員を目指すなら最低限必要なこと
否定したいわけではありません。
ただ、公務員を目指すなら、最低限次の認識は必要です。
- 数学・物理、数理的思考は避けられない
- 思考力と語彙力が問われる
- 受け身では通用しない
- 競争相手は年々強くなる
まとめ:公務員は「逃げ道」ではなく選択肢の一つ
- 公務員は今も安定職の一つ
- しかし「楽な道」ではない
- 現実を知らずに選ぶと詰む
公務員を目指すなら、「安心だから」ではなく「準備できているか」で判断すべきです。

